【2026】3Dアバターの著作権とは?侵害しないための対策を弁護士がわかりやすく解説

3Dアバターの著作権とは?侵害しないための対策を弁護士がわかりやすく解説

「3Dアバター」と呼ばれる立体的な形状の3次元キャラクターが、インターネット上の仮想空間(「メタバース」といいます)などで使われることがあります。

では、3Dアバターの著作権は誰に帰属するのでしょうか?また、3Dアバターで著作権侵害をしないためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?今回は、3Dアバターの著作権の帰属先や3Dアバターで著作権侵害をしないための注意点、3Dアバターで著作権侵害をされた場合の対処法などについて、弁護士がくわしく解説します。

なお、当サイト(エンタメ弁護士.com)は弁護士の伊藤海が運営しており、3Dアバターの著作権にまつわるご相談についても豊富な実績を有しています。3Dアバターの著作権について相談できる弁護士をお探しの際は、エンタメ弁護士.comまでお気軽にご相談ください。

著作権とは?

著作権とは、著作権を保護する権利です。他者の著作権を侵害すると侵害を辞めるよう求める「差止請求」の対象となるほか、損害賠償請求がなされる可能性もあります。

著作権は創作と同時に自動的に発生するものであり、権利を発生させるために特許庁に登録を受ける必要はありません。

著作権の対象となる著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています(著作権法2条1項1号)。また、その範囲は非常に広く、美術館で飾られるような絵画や著名漫画家のイラストなどだけが該当するのではありません。

「思想又は感情を創作的に表現したもの」であれば、幼児の描いた絵や一般個人が撮影してSNSにアップした写真、企業が投稿したブログ記事の文章、SNSに投稿された一般個人のイラスト、一般個人が考案したダンスの振り付けなども、著作権の保護対象となり得ます。

同様に、3Dアバターも「思想又は感情を創作的に表現したもの」であれば、著作物として著作権の保護対象となる可能性があります。

【ケース別】3Dアバターの著作権は誰に帰属する?

3Dアバターの著作権は、誰に帰属するのでしょうか?ここでは、3Dアバターの著作権の帰属先について解説します。

ユーザーが1から作り上げる場合:原則ユーザー

3Dアバターをユーザーが1から作り上げる場合、その3Dアバターの著作権はこれを創作したユーザーに帰属するのが原則です。ただし、利用するプラットフォームによっては、その規約で制作したアバターの著作権がプラットフォームに帰属するとされている場合もあるため、規約を確認する必要があるでしょう。

プラットフォームが用意したパーツをユーザーが組み合わせる場合:原則プラットフォーム

プラットフォーム側が用意したいくつかのパーツを組み合わせたり選択したりして、3Dアバターを制作する場合があります。この場合には、そのパーツを制作したプラットフォーム側に著作権が帰属する可能性が高いでしょう。

ただし、パーツの選択肢が非常に多く、組み合わせ自体に創造性が認められる場合には、これを組み合わせたユーザー側に3Dアバターの著作権が帰属する可能性もゼロではありません。

この場合であっても、パーツ自体の著作権はプラットフォーム側にある以上、これを組み上げた3Dアバターは完全なオリジナルであるとはいえず、各パーツを原著作物とした二次的著作物となるに留まるでしょう。

二次的著作物の利用範囲は、原著作物から許諾を受けた範囲に限られます。そのため、原著作物の著作権者であるプラットフォーム側の許諾なくその3Dアバターを別のプラットフォーム上で使用したり、他者に利用を許諾したりすることはできません。

許諾範囲などはプラットフォームの規約などで定められていることが多いため、一読しておくことをおすすめします。

AIを使って制作する場合:ケースバイケース

3Dアバターを、生成AIを利用して制作する場合もあるでしょう。

この場合、生成AIにユーザーが細かに指示を出して3Dアバターを制作したのであれば、その3Dアバターの著作権は原則としてユーザーに帰属します。なぜなら、この場合は生成AIを道具として使用したと考えられ、「PCを使って3Dアバターを制作した」のと同じ状態であるためです。

一方で、生成AIに指示を出したプロンプトが非常に簡単なものである場合には、そもそもその3Dアバターに著作権は発生しません。なぜなら、この場合に3Dアバターを制作したのは「生成AI自身」であり、人間ではない生成AIは著作権の帰属主体とはなり得ないためです。

このように、3Dアバターの著作権の取り扱いは状況によって異なります。3Dアバターの著作権について相談できる弁護士をお探しの際は、エンタメ弁護士.comまでお気軽にお問い合わせください。

3Dアバターで著作権侵害をしない対策

3Dアバターにより、他者の著作権を侵害するケースがあります。先ほど触れたように、他者の著作権を侵害すると差止請求や損害賠償請求などがなされ、大きなトラブルに発展するかもしれません。

ここでは、3Dアバターで他者の著作権を侵害しないための対策を4つ解説します。

  • 他者の著作物の模倣や「オマージュ」をしない
  • プラットフォームの規約を確認する
  • 迷う際は、弁護士に事前に相談する
  • (参考)他者の肖像の模倣も避ける

他者の著作物の模倣や「オマージュ」をしない

1つ目は、3Dアバターで他者の著作物を模倣しようとしないことです。「あのアニメキャラに似せた3Dアバターを作ろう」などの発想から3Dアバターを制作してしまうと、著作権侵害となる可能性が高いでしょう。

また、元の作品をリスペクトしつつ取り入れるいわゆる「オマージュ」もおすすめできません。なぜなら、著作権法にはそもそも「オマージュ」の概念はなく、リスペクトの有無は著作権侵害の成否に何ら影響しないためです。

プラットフォームの規約を確認する

2つ目は、プラットフォームの規約を確認することです。

先ほど解説したように、プラットフォームによっては、そのプラットフォーム上で制作した3Dアバターの著作権がプラットフォーム側に帰属すると定められている可能性があります。

この場合に、制作した3Dアバターを別のプラットフォーム上で利用した場合、元のプラットフォームから著作権侵害であると主張されトラブルに発展するかもしれません。

迷う際は、弁護士に事前に相談する

3つ目は、判断に迷う際は弁護士に相談することです。自身が検討している3Dアバターが他者の著作権侵害にあたるかどうか判断に迷う場合、事前に弁護士にご相談ください。

特に、企業の公式アカウントが著作権侵害などを疑われた場合、その影響は大きくなりやすいでしょう。そのため、「このくらいなら大丈夫」などと自己判断するのではなく、弁護士に相談するのがおすすめです。

3Dアバターの著作権について相談できる弁護士をお探しの際は、エンタメ弁護士.comまでお気軽にお問い合わせください。

(参考)他者の肖像の模倣も避ける

3Dアバターを著名人の肖像に似せた場合、著作権侵害とはなりません。著名人は実在の人物であり、「著作物」ではないためです。

しかし、著名人など他者の肖像に似せた3Dアバターを制作することも避けるべきでしょう。なぜなら、著作権侵害にはならないとしても、「肖像権侵害」に当たる可能性があるためです。肖像権侵害をした場合、著作権侵害と同様に差止請求や損害賠償請求がされる可能性があります。

中でも、著名人は顧客吸引力(「この人がテレビCMに出ているからこの商品を買おう」などと顧客を引き付ける力)を有しているため、肖像権(パブリシティ権)侵害による損害賠償請求額が高額となるおそれがあります。

3Dアバターで著作権侵害をされた場合の対処法

他者の3Dアバターで、著作権侵害をされるケースもあります。ここでは、他者の3Dアバターで著作権侵害をされている場合の対処法を解説します。

  • 証拠を残す
  • エンタメ法務に強い弁護士に相談して著作権侵害の有無を確認する
  • 相手を特定する
  • 弁護士から内容証明郵便で警告する
  • 損害賠償請求をする
  • 悪質な場合は刑事告訴をする

証拠を残す

3Dアバターで著作権侵害がされている場合、まずはその証拠を残します。証拠はURLを含めたスクリーンショットなどで残すことが一般的です。証拠の残し方がわからない場合は、弁護士に相談したうえで弁護士とともに証拠を残すとよいでしょう。

エンタメ法務に強い弁護士に相談して著作権侵害の有無を確認する

続いて、弁護士に相談します。相談する弁護士は誰でもよいと考えるのではなく、エンタメ法務やカルチャー法務に力を入れている事務所を選ぶとよいでしょう。

弁護士に相談したうえで、そのケースにおいて著作権侵害が成立する可能性を検討し、対応の具体的な見通しを立てます。

3Dアバターの著作権について相談できる弁護士をお探しの際は、エンタメ弁護士.comまでご相談ください。エンタメ弁護士.comでは3Dアバターの著作権に関する困りごとについて豊富なサポート実績を有しており、安心してご相談いただけます。

相手を特定する

3Dアバターでの著作権侵害では、相手が誰であるかわからないことが少なくありません。その場合、法的措置に入る前に、相手を特定するステップが必要となります。

相手の特定は、発信者情報開示請求などの方法によって行います。相手の特定までには数か月程度を要することも多いため、あらかじめかかる期間の見通しについても弁護士に確認しておくとよいでしょう。

弁護士から内容証明郵便で警告する

相手が特定できたら、弁護士から内容証明郵便を送って著作権侵害にあたる3Dアバターの利用をやめるよう警告します。

内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書が誰から誰宛に送られたかを日本郵便株式会社が証明する制度です。内容証明郵便は訴訟の準備段階として使用されることが多いため、相手方にプレッシャーを与える効果も期待できます。

損害賠償請求をする

著作権侵害の状況に応じて、相手に損害賠償請求をします。

損害賠償の適正額は状況によって異なります。訴訟にまでもつれ込んだ場合の結論を想定し、弁護士と相談したうえで検討すると良いでしょう。

悪質な場合は刑事告訴をする

故意の著作権侵害は、刑事罰の対象となります。著作権侵害の刑事罰は、10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金刑またはこれらの併科です。

著作権侵害がされた当初は故意ではなかったとしても、少なくとも内容証明郵便を送り警告をした時点からは、相手が著作権侵害の可能性を確知しているといえるでしょう。そのため、警告書を送ってもなお3Dアバターでの著作権侵害が継続される場合、故意の侵害が成立し、刑事罰の対象となる可能性があります。

著作権侵害で相手を刑事責任に問うには、警察などの捜査機関に刑事告訴をするのが近道です。ただし、よほど悪質な事案でない限り著作権侵害で実刑判決が下る可能性は低いため、手間や費用をかけて刑事告訴までするかどうかは、事案の悪質性などを踏まえて慎重に検討すべきでしょう。

3Dアバターの著作権でお困りの際はエンタメ弁護士.comへご相談ください

3Dアバターの著作権について相談できる弁護士をお探しの方は、エンタメ弁護士.comまでお問い合わせください。エンタメ弁護士.comは、弁護士・弁理士である伊藤海が立ち上げた、エンタメ法務に特化した専門家集団です。ここでは、エンタメ弁護士.comの主な特長を3つ紹介します。

  • エンタメ法務の専門家集団である
  • お困りごとの内容に適した専門家が対応する
  • 英文契約書にも対応している

エンタメ法務の専門家集団である

エンタメ法務はややニッチな分野であり、この分野に特化した各専門家を探すのは容易ではないでしょう。エンタメ弁護士.comのチームメンバーは全員がエンタメ業界の法務に特化しているため、業界独自の困りごとについても安心してご相談いただけます。

お困りごとの内容に適した専門家が対応する

いわゆる「士業」は保有する資格ごとに対応できる範囲が異なるほか、専門家によっても専門性が異なっています。そのため、困りごとが生じた際、誰に相談すべきか判断に迷うことも多いでしょう。

エンタメ弁護士.comには弁護士・弁理士である伊藤海のほか、弁護士と行政書士、社会保険労務士、司法書士、税理士・公認会計士がメンバーとして在籍しています。そのため、困りごとの内容に応じて、最適な専門家が解決へ向けてサポートします。

また、必要に応じて複数の専門家が協力してサポートにあたることも可能です。

英文契約書にも対応している

3Dアバターに関して、海外の企業や個人と契約を締結すべき場合もあるでしょう。エンタメ弁護士.comでは英文契約書にも対応しているため、海外との取引であっても一貫したリーガルサポートが提供できます。

3Dアバターの著作権に関するよくある質問

最後に、3Dアバターの著作権に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。

3Dアバターにも著作権はある?

「思想又は感情を創作的に表現したもの」である限り、3Dアバターにも著作権が発生します。

ただし、生成AIは人間とは異なり「思想又は感情を創作的に表現」することができないため、簡易的なプロンプトによって生成AIが生成した3Dアバターには、原則として著作権は発生しません。

アニメをオマージュした3Dアバターは著作権侵害ではない?

アニメのキャラクターをオマージュした3Dアバターは、著作権侵害となる可能性があります。なぜなら、著作権侵害であるか否かの判断で、「リスペクトの有無」は加味されないためです。

著作権侵害を避けるには、たとえオマージュという形であっても、アニメキャラクターなどを模すのは避けるべきでしょう。

まとめ

3Dアバターの著作権の帰属先や3Dアバターで著作権侵害をしないための対策、3Dアバターで著作権侵害をされた場合の対処法などを解説しました。

「思想又は感情を創作的に表現したもの」であれば、3Dアバターにも著作権が発生するのが原則です。ただし、3Dアバターに著作権が発生するか否かや著作権の帰属先は3Dアバターの制作方法やプラットフォームの規約などによって異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

他者の3Dアバターで著作権が侵害されたら、証拠を残したうえで早期に弁護士へご相談ください。弁護士へ相談することでそのケースにおける著作権侵害の成否の見通しが立てやすくなるほか、状況に応じた具体的な対応策の検討が可能となります。

エンタメ弁護士.comはエンタメ法務に特化した専門家によるチームであり、3Dアバターの著作権にまつわる困りごとについても豊富なサポート実績を有しています。3Dアバターの著作権侵害について相談できる専門家をお探しの際や、他者の3Dアバターで著作権侵害をされてお困りの際などには、エンタメ弁護士.comまでお気軽にご相談ください。